出産の時の出血量を母子手帳に助産師が書いて説明してくれたけれど、、どのくらいが普通なの?と疑問に思う方は多いと思います。
その疑問にお答えします。
分娩時の出血量の基準について
人体の血液量をまずは知っておこう
人間の体内の血液の総量は体重の80%です。
体重50kgの人の場合 50kg×0.8で4リットルが体内の血液の総量となります。
妊婦になると体内の総血液量が増える
妊婦になると、胎児のために体内の血液量は増えます。臨月になるとトータルで1リットルほど増やしていきます。
しかし、血液の全ての成分が増えたわけではありません。血液中には、血漿と言われる水の部分と、赤血球や白血球、血小板などの血球部分に分けられます。
妊婦になって増加するのは、血漿と言われる水の部分なのです。したがって、血液が薄まっているというふうに思っていただければ良いです。
分娩時の出血量の基準
<div class=”simple-box1″><p>正常範囲:500ml</p></div>
上記に示した通り、500mlはどんな人でも平均的に出血はします。
それ以上になると出血多量となります。
100ml以下の人は少量となります。
分娩時の出血が大量だと何が問題?
出産のときの出血量が多いと何が問題なのか疑問に思う人が多いと思います。
体内の血液が足りないことで母の疲労は極限に
血液の主な役割は、体の細胞に酸素を届けることです。しかし、出血により血が少なくなってしまうと、体の細胞に酸素がいき届かないということになります。
したがって、体に充分に血液があったときに比べて、細胞たちが酸素や二酸化炭素の交換がスムーズに行われずに疲労がたまりやすくなるのです。
母の疲労が極限だと育児に気持ちが向かない
母の疲労が極限だと、生まれた赤ちゃんになかなか気持ちが行かないということがおきます。
そのことによって、赤ちゃんとママは早期母子分離といって、せっかく出産したのに赤ちゃんを認識できない、もしくは、赤ちゃんが母体を感じられず、これからの育児がスムーズに進まないなんてことも起こりうるのです。
なので、出血は少ないに越したことはありません。
出血が多くても耐えられるように妊娠中に血液を貯める
上記でも話したように、妊娠中に母体は1リットル程度の血液を貯めます。
したがって、例えば1000ml出血したとしても輸血したりということはほとんどありません。
しかし、1000mlもの血液が出産で急になくなると母体への負担は大きくなります。
また、出血量が多いときにはその代償として体は、血液を体内に行き届かせるために心臓の拍動を増やします。
脈拍が100を超えるようなことがあれば、母は歩くのも一苦労でトイレに行くのもままならないということが多いです。
そのため、母の安静を保つために尿道から管を入れてベット上で安静にしてもらうことが多いです。
まとめ
出産は命がけと言われていますが、産後のママを見ていると本当にそのままだなと感じます。
出血量が特に多いと、母体の負担が大きく、疲れもあります。
前回の子のときは出血量は問題なかったけど、今回多くて育児が思うように進まずに悲しくなってしまったというママもいます。
出産はそのときそのときで色が変わってくるので、こんなときはパパの出番。
パパがママに対して、ゆっくりやっていこうね、などと声をかけてあげるとママの焦っている気持ちが落ち着くなんてこともしばしば。助産師よりも、パパの言葉が響くのです。
皆さんが心地よい育児をできるよう心から祈っております。