助産師や産婦人科医がよくステーションは?と聞く場面に出会う。
けれど、ステーションってなんなんだろうと思っている助産学生や研修医は多いと思います。
スタッフステーションのこと?なんなんだろう?と思っている人は多いと思います。
その悩みにお答えします。
分娩のときによく使われるステーションとは?
出産のときによく耳にするステーションとは、児頭の下降度を言います。
児頭の下降度とは、胎児の頭がどのぐらい出口に近くなってきたかをマイナス3からプラス3で表現します。
以下に画像を示します。
詳しくは、骨盤内に児頭がどのぐらい嵌入してきているかを示します。
引用先:https://astamuse.com/ja/published/JP/No/2006505323
助産師や医師が内診したとき、自身の指の第3関節まで膣内に挿入できる高さは、マイナス3以上と表現します。
児頭が排臨・発露するぐらいのときはプラス3の高さと思っていただいてよいと思います。
指の太さや長さは、人それぞれなので、詳しくは、座骨棘(ざこつきょく)などを目安にしますが、難しいです。
助産師はや医師は内診して、子宮口がどのくらい広がっているか、児頭はどのぐらい骨盤内に嵌入してきているかなどをアセスメントしています。
そして、適切なタイミングで、ママとパパ、その家族が安心して赤ちゃんを迎えられるように判断しています。
分娩のときのステーションによって助産師がすべきこと
ステーションによって、分娩体位をとるタイミングを判断しなさい、ということです。
子宮口が全開大しても、児頭の下降がついてこなければ分娩体位をとっても赤ちゃんは生まれてきません。
陣痛の波がついていないときに母体にいきみをかりて少しずつ児頭の下降を促す方法があります。また、陣痛の波がないのに自然にいきみたいと感じるママもたくさんいます。それを共圧陣痛といいます。
共圧陣痛によって、少しずつ児頭の下降を促しながらステーションがプラス2あたりになってから分娩体位をとっても遅くはありません。
初産婦さんの場合は、分娩体位をとるのが早すぎると、児頭の下降がうまく促されずに、会陰が伸びるのを待てずに、会陰切開をすることになり、会陰の傷を大きくしてしまいます。
経産婦さんの場合は、産道ができあがっているので、ステーションがマイナス3以上だと思っても破水したら1回のいきみで生まれた、なんてことも大いにしてあるので、注意が必要です。
また、分娩体位をとるとは、ほとんどの病院が仰臥位だと思いますが、仰臥位は、母体の大血管を圧迫してしまい、血流が悪くなり、胎児に血液が回らずに具合が悪くなってしまう、ということがあります。
したがって、ステーションによって、助産師がすべきことは、分娩体位をいつとるかを適切に判断することにつきます。
まとめ
分娩体位をとるのが早すぎて、赤ちゃんが具合が悪かったということや、会陰の傷を大きくするという場面をなんども見てきました。
ママに安楽に出産させてあげたい、赤ちゃんを安全に取り上げたい、そう言ってる助産師はとても多いです。
しかし、赤ちゃんを安全に取り上げたいからといって、早め早めに分娩体位をとることがママにとっての安楽になるのか。
会陰は伸びます、会陰が伸びれば初産婦さんだって、傷なしで出産することは可能なのです。
会陰が伸びることを感じながら分娩介助をしてほしい、そう思います。会陰が伸びるのを感じれないのなら、技術をもっと磨きなさい、あなたは助産師という職人なのですから。